うみともコラム#02
◎海の生き物はどうやって眠るの?
夜になったらベッドに入って、目を閉じて眠る。
私たちにとっては当たり前のことですが、
海の中で暮らす生き物たちは、いったいどうやって眠っているのでしょう?
海の中には、
イルカやクジラ、魚、タコ、ラッコなど、
たくさんの生き物が暮らしています。
実は、その眠り方は生き物によってさまざま。
今回は、ちょっと不思議な「海の眠り」の世界をのぞいてみましょう。
① イルカは「半分だけ」眠る?
イルカは、私たちと同じように眠ります。
でも、海の中では少し変わった眠り方をします。
なんとイルカは、
脳の左右どちらか片方を休ませ、もう片方を働かせることができるのです。
これを「半球睡眠」といいます。
片方の脳が眠っている間も、もう片方の脳が働いていることで、
泳いだり、呼吸したり、周りの様子を確認したりすることができます。
そして、しばらくすると左右を入れ替えます。
つまり、
右の脳がおやすみ中……
左の脳はおきています。
次は、
左の脳がおやすみ中……
右の脳がおきています。
というように、交代しながら休むのです。
海の中では「眠っている間も呼吸する」ということが必要。
イルカの眠り方は、
そんな海で生きていくための大切な工夫なのです。
②クジラはどうやって休むの?
クジラももちろん眠ります。
クジラの中には、
水面でじっと浮かんだり、ゆっくり泳いだりしながら
休む姿が観察されています。
水面で動かずに浮かぶ姿は、まるで海に浮かぶ丸太のように見えることから、
英語では「logging」(浮遊型)
と呼ばれる休息行動として知られています。
また、クジラ類ではイルカと同じように、
脳の片側ずつを休ませる「半球睡眠」が知られています。
海の中で暮らす哺乳類にとって、
「休むこと」と「呼吸すること」
は切り離せない大切なことなのです。
③ 魚も眠るの?
「魚って、目を閉じられないのに眠るの?」
そう思ったことはありませんか?
実は、魚にも休息する時間があります。
魚は人間のようなまぶたを持たない種類が多いため、
目を閉じることはありません。
夜になると動きが少なくなったり、
安全な場所に隠れたりする魚もいます。
たとえば、ブダイの仲間には、
眠るときに自分の体から出した粘液で「寝袋」のような膜をつくる種類がいます。
この粘液の膜は、
夜の間に寄ってくる寄生生物から身を守る役割があると考えられています。
人間が布団に入るように、
魚にも魚なりの「おやすみの準備」があるんですね。
⑤ タコは眠っている間に色が変わる?
海の中には、
さらに不思議な眠り方をする生き物がいます。
それが、タコです。
研究では、
タコが「静かな睡眠」と「活発な睡眠」のような、
異なる状態を繰り返していることが報告されています。
静かに休んでいるときは、体の色が薄くなり、ほとんど動かなくなります。
ところが、ときどき体の色が変わったり、腕や目が動いたりすることがあります。
まるで眠っているのに、何かをしているようにも見えるのです。
「もしかして夢を見ているの?」
そんな疑問も生まれますが、
タコが人間と同じような夢を見ているのかは、まだ分かっていません。
海の生き物の「眠り」には、まだまだ謎がたくさん残されています。
⑥ラッコは海に浮かんだまま眠る
最後は、ちょっとかわいい眠り方。
ラッコは水面に仰向けに浮かびながら休むことがあります。
そして、海で流されてしまわないように、
海藻に体を巻きつけて休むこともあります。
ゆらゆら揺れる海の上で、海藻に包まれてお昼寝。
なんだか海のベッドみたいですね。(かわいい~!)
◎海の中にも、それぞれの「おやすみ」がある
イルカは、脳の半分ずつを交代で休ませる。
クジラは、水面で浮かんだり、ゆっくり泳いだりしながら休む。
魚は、安全な場所で動きを止めたり、体を守るための膜をつくったりする。
タコは、静かな睡眠と活発な睡眠のような状態を繰り返す。
ラッコは、海藻に包まれて海に浮かぶ。
同じ海で暮らしていても、
眠り方はこんなにも違います。
それはきっと、それぞれの生き物が、
自分の暮らす場所に合わせて生きているから。
海の中には、私たちがまだ知らない
「おやすみの時間」がたくさんあります。
次に海や水族館で生き物を見つけたときは、
「この子は、どんなふうに眠るんだろう?」
そんな目で見てみるのも、おもしろいかもしれません。
海を知ると、
今まで見えていなかったものが少しずつ見えてくる。
そして、その「知りたい」が、
海を好きになるきっかけになるかもしれません。
🌱 うみとも
海を知り、海を好きになり、海のために行動する。
うみともは、海のことをもっと身近に感じてもらえるような
「知るきっかけ」を届けています。
今日も、海のどこかで誰かが「おやすみ」を迎えています。
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